活動

研究開発項目2:自在音声対話の研究開発

最新活動報告

研究開発課題1:自在遠隔音声対話の研究開発(河原達也)

音声認識・対話技術を発展させて、ホスピタリティや共感の感じられる自律的な音声対話システムを実現するとともに、アバター (CA) が操作者の意図や状況に応じて、遠隔操作対話と自律対話を臨機応変に切り替えられる自在対話技術を開発する。定型的な紹介や受け答えは自律で行い、人間関係の構築や自律での応答が難しい部分は人間が遠隔で行うことで、1人の操作者が複数のCAを用いた自在対話を実現する。これまでに、高齢者の傾聴、研究室案内・プレゼンテーション、就職面接の応用場面を想定して、同時に3並列で対話できるシステムを開発・実装してきた。今後、被験者実験による評価を行うことで、すべて人間が操作しているのと同じ性能・満足感の実現を目指す。

研究室HP:http://www.sap.ist.i.kyoto-u.ac.jp/
研究開発課題2:音響情報処理・音声変換の研究開発(猿渡洋)

主に音メディアに関する現象の理解・情報処理・制御を目指し、波動場を意識した新たな信号処理の創出及びそれを応用した情報処理システムの構築に関して研究を行っている。具体的には、対象波動がその生成源や伝搬環境による物理的制約や統計的性質を有することに着目し、それらを効率的に取り扱うことの出来る新しい統計数理モデルと機械学習理論の構築を通じて、人間の音情報処理能力の拡張や新しい芸術創出への工学的貢献を目指している。本研究課題では、アバターに搭載する音響信号処理・音声合成・音声変換の研究を推進している。

研究室HP:https://www.sp.ipc.i.u-tokyo.ac.jp/
研究開発課題3:対話知識処理の研究開発(東中竜一郎)

サイバネティックアバター (CA) の利用を定着させるには、CAが有用性の高い様々なタスクに利用される必要がある。本研究開発課題では、有用性の高いタスクにおける対話サービスを実現するための、対話知識処理の研究開発に取り組む。対話サービスに関するデータからCAを自動構築するとともに、操作者が対話状況をたちどころに把握し、適切な操作を可能とするためのインタフェースを構築する。これにより、緊急時を除き、操作者によるコストを必要としないCAを実現する。これまで、対話の引継ぎを頻繁に行う実験を通じて、「隣接ペア」と呼ばれる形式が対話の理解に有用であることを確認した。また、操作者が対話状況を把握するための対話要約を明らかにするため、複数の対話要約種別を対象に、対話の引継ぎを行う実験を実施し、生成型要約・抽出型要約のそれぞれの特性を確認した。加えて、操作者に対話の引継ぎを要請するための、対話破綻検出技術、および、対話破綻が検出された際、それがどのような原因によって生じたのかを分類し、対話の引継ぎに役立てる技術にも取り組んでいる。

研究室HP:https://www.ds.is.i.nagoya-u.ac.jp/
研究開発課題4:CG-CA特有対話の研究開発(李晃伸)

課題推進者は、音声および言語を用いた人対人・人対機械のコミュニケーションを対象として音声認識・音声対話・自然言語処理・音声インタフェース・音声インタラクションに関する研究を行っている。特に音声認識および音声対話システムについては信号処理から対話制御まで実践的な研究開発を幅広く行っている。特に実践的研究と、研究成果の幅広い関連分野における応用への貢献を強く指向しており、これまでに研究成果をオープンソースの小型汎用音声認識エンジンJuliusや音声インタラクション構築ツールキットMMDAgentといったオープンソースソフトウェアとして長年にわたり公開・維持し続けている。現在主に取り組んでいるテーマは、大規模で高度で自律した知的サービスと人をうまくつなぐための対話型知的音声インタフェースの研究であり、その実現のためにはスムーズな会話を実現する音声処理技術・自然言語処理技術のみならず、人型デバイスとしてのあるべきインタフェースデザインまで統合した理念の形成と設計開発が必要である、との信念のもと、音声処理・自然言語処理からキャラクターデザイン・UI設計理論といった対話システムの研究開発を推進している。

研究室HP:https://www.slp.nitech.ac.jp//
研究開発課題5:頑健な音声対話処理の研究開発(駒谷和範)

本研究グループでは、音響信号処理から社会的インタラクションまでを広く視野に入れ、音声認識技術や自然言語処理技術を用いて人間と対話するシステムの基礎技術を研究している。とりわけ賢い対話システムには知識が不可欠であることから知識グラフ上での推論にも取り組んでいる。本研究課題では、自律対話において不可避である様々なレベルでの対話の破綻を捉え、そのような場合にも対話を継続させる技術を開発する。様々な環境で、多様なユーザに対してCAを利用するには、各種の誤りやシステムにとって想定外である入力発話に対処できることが必要である。自律対話においてこのような対話の破綻に至る場合を検出し、対話を継続しながら、可能な場合はその原因を特定したうえで、遠隔操作者に交替するまで対話を続ける機構について研究する。

研究室HP:http://www.ei.sanken.osaka-u.ac.jp/

過去の活動(報告書PDF)